「ファウスト」の復活/大庫澄江(49期)

母校創立百十周年記念誌より

 

「ファウスト」の復活

大庫澄江(49期)


真澄会では母校創立百周年記念事業として、故竹腰美代子さん(45期)を実行委員長に、平成12年9月には母校小ホールにおいて体操教室を、10月には運動部OB・OGの大運動会を開催した。
体操教室ではウォーキングとポピュラーな音楽での「ラジオ体操第一」を、又、現在のNHK「みんなの体操」の製作に携わった竹腰さんが一般の方達を指導された。
運動部OB・OGの大運動会では、各部対抗の競技に歓声と笑顔で若さ(?)を発揮していた。特にダンス「ファウスト」では、田村先生を中心に老いも若きも学生時代を懐かしく思い出しながら拍手の中でワルツを踊り終えた。
母校では平成4年に新校舎が完成したが、その後十年間体育祭が実施されなかった。平成14年に百周年のビデオを見た三年生がダンスの歴史を知って興味を持ち、自分たちも踊りたいと希望した。学校からの依頼を受けて、元体操部の斉藤孝子さん(47期)と私で三年生の有志たちにダンスの指導を行うことになった。そして、この年に平沼祭開催と同時に十年振りに半日ではあるが体育祭が開催されることになり、その日の後夜祭で三年生有志によって「ファウスト」が復活・披露されたのだった。
100期生たちが周囲の協力を得ながらも自主的に踊り始めてから平成23年は十年目になる。年々参加者が増えて、平成18年からはダンス部員のリードによって体育の授業で練習が行われ、平成二十年の106期からは一年次のダンスの授業の中でファウストが教えられ、体育祭で踊られている。ジャンパースカート、長袖ワイシャツ、紺か黒のソックスを授業中から徹底させることができたと長束先生からお話しを伺つている。
「ファウスト」の完全復活が出来たのは、百周年をきっかけに現役生と先生、学校、真澄会が一体となって、生徒たちの自主性を尊重しながら取り組んできた結果であり、伝統の重みをひしひしと感じさせられた。
五年先、十年先、そして永遠に「ファウスト」が踊り継がれていくことを期待している。

2022年05月24日|公開:公開