先輩セミナー2003
―魅力と特色プラン委員会―
開催日および講師紹介
①9月23日(土)
内海 功さん(90期)慈恵医科大学病院麻酔科医
②10月18日(土)
濱野 穆さん(54期)産婦人科医・高齢者福祉
安部 治子さん(91期)助産師
③10月18日(土)
小川高義さん(71期)横浜市立大学助教授・翻訳家
④11月15日(土)
篠崎孝子さん(45期)有隣堂会長
⑤11月15日(土)
中島陽一さん(50期)声楽家
村川静香さん(92期)ピアニスト
⑥12月6日(土)
佐分利昭夫さん(50期)九州工業大学講師
濱野 穆さん(54期、産婦人科医・高齢者福祉)
今日お話しするテーマは日本の福祉の歴史と高齢者福祉の現状です。今、福祉はいろいろな問題点があります。老人福祉については①養護老人ホーム…経済的理由、社会的理由、家庭的な理由で身体は元気だが一人で生活できない人が入ります。 ②特別養護老人ホーム…経済的には十分だが寝たきりの人や、痴呆の人が入ります。 ③地域ケアプラザ…家庭で生活しているお年寄りが週2~3回、施設で入浴やボランティア活動をする場所です。
福祉とは古代中国で作られた言葉で「幸福そのもの」を意味します。福祉事業には、親族や地域共同体における相互扶助、政治や宗教の理念に基づく救済事業、個人や団体の人間愛に基づく慈善事業、すべての自立した国民が社会の一員として支援を必要とする人々を支える社会福祉事業、営利を目的とした福祉産業、ボランティア組織による福祉事業があります。
福祉を受ける人は、貧困者、病人、障害者、乳幼児、妊産婦、老人、反社会行為の防止を必要とする人、社会福祉を必要とする人になります。
現代の福祉理念の原点は憲法第25条にあります。
社会保障の中には1医療、2年金、3福祉【①高齢者、②障害者、 ③保育、 ④その他】があります。国別の社会保障費の割合について国家負担率が多いのはスウェーデン・イギリスで、民間負担率が多いのがフランスで、日本は他国を参考にし、国と民間の負担率が同じくらいになっています。
2000年4月1日の介護保険制度導入の背景と目標は、介護家族の負担軽減、女性の社会進出・老人介護を社会全体で対応する必要性、老人医療費の抑制、社会保障制度の整備などが上げられます。老人介護では、「お世話型」から「自立・支援型」介護を目指すべきであり、高齢者が本当に望んでいることは何かを知ることが大切です。
福祉専門職(看護師・介護士)に必要な資質は、Head(知識・理論)、Hand(技術・技能)、Heart(価値観・感性)の3Hといわれています。
日本の老人福祉の現状と課題は、予想を超えた急激な高齢社会の到来、介護保険導入と財源の確保、介護経費の地域格差、指導者、スタッフの育成、等があげられます。
助産師 安部治子さん(91期)のお話
今日は助産師の仕事の話とお産のスライドを紹介したいと思います。助産師の仕事には①分娩介助②妊娠、出産、産後の女性、新生児およびその家族の保健指導③思春期から更年期に至る婦人の保健指導、衛生教育、等があります。(友人の出産時のスライドを紹介し、出産の模様を解説した)
【生徒の感想】
- 「産婦人科」というところがどういう所かほとんど知らなかったので、私達の先輩のお話は大変興味深く、とても勉強になりました。中でも特に、助産師をなさっている先輩のお話は、凄くおもしろかったです。お友達の出産の模様を例に、「出産」とはこういうものだという事を教えていただきました。実際の写真も見せてくださったので、凄く分かりやすく、「ご主人の方がよく泣く。」という発言にはすごく驚きました。
また、生まれたての赤ちゃんの写真、少し経った写真、何日か経った写真も、見せていただきました。生まれたての赤ちゃんは、真っ赤でしわしわだけど、少し経つと、ちゃんとしわはなくなり、もの凄くかわいかったです。数日しか経っていないのに、すぐに大きくなっていて、その成長の早さに驚きました。
私は将来、保育士になりたいのですが、かわいい赤ちゃんを見て、やっぱり、小さい子が大好きと思い、将来の夢を再確認すると同時に、バリバリと働いている先輩のお話を聞き、私も、夢に向かって頑張ろう!と思いました。
- 私たちに福祉のことや助産師さんの仕事について教えていただきありがとうございました。私はこの講演を聞くまで福祉とは何なのかよく理解できていなかったけれど、この講演を聞いて少し福祉のことが理解できたと思います。私は福祉って近代くらいから行われているけっこう新しい事なのかと思っていたけれど、ずいぶんと昔から行われているということを知って驚きました。助産師さんのお話では、貴重な出産前や後の写真を見せてもらうことができてよかったです。写真を見ていて私もいつかあんな体験をするだと思うと、大変だなぁなんて思ってしまいました。